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国民対話シンポジウム「早稲田大学×日本証券業協会共催SDGsシンポジウム 『研究』×『行政』×『経済』の結束 脱炭素社会の実現に向けて」を開催しました。

2022年12月2日

12/2(金)に、早稲田大学は日本証券業協会との共催で、SDGsシンポジウム「『研究』×『行政』×『経済』の結束 脱炭素社会の実現に向けて」を開催しました。本シンポジウムは、Zoomによるオンライン参加だけでなく、ニコニコ生放送によるオンライン配信も行われました。

日本証券業協会副会長・専務理事である岳野万里夫様による開会あいさつの後、本研究所所長である有村俊秀による基調講演が行われました。基調講演では、まず、カーボンプライシングの重要性と世界での広がり、日本での実施状況が説明されました。そして、有村が研究代表者を務める(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(JPMEERF20202008)における研究成果が紹介されました。

5分間の休憩を挟んだ後、パネルディスカッションが行われました。パネリストに森本英香先生(本学法学学術院教授、元環境事務次官)、鳥海智絵様(野村證券専務執行役員、野村ホールディングス コンテンツ・カンパニー長兼サステナビリティ推進担当)、吉高まり様(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社フェロー(サステナビリティ)、東京大学教養学部客員教授)、西川修平様(本学政治経済学部4年)、石田俊一朗様(本学法学部4年)の5名を迎え、有村の司会の下で進められました。

まず、脱炭素に向けた各ステークホルダーの役割・取組状況について検討が行われました。森本先生が行政の施策を説明したのち、金融業の役割が重要であることについて、鳥海様や吉高様から指摘がありました。


次に、地域脱炭素における成功例として、西川様より早稲田大学での実証実験が紹介されました。実験では、分別の掲示によってボトル・ラベル・キャップの分別率が向上することが紹介されました。これに対して、制度だけでなく、消費者の取り組みも脱炭素の実現には大切な要素であることが各パネリストより指摘されました。

続いて、カーボンプライシングへの期待というテーマで討論が行われました。吉高様よりCOP27での検討状況から、日本においても脱炭素への取り組みをさらに加速させる必要があることが指摘されました。これに対して、日本においても官民で150億円相当の投資を実現させるための取り組みが紹介されるとともに、実現のためのプロセスをより具体化する必要があることがパネリストから指摘されました。また、Zoom参加者からの質問にも答えていただきました。

そして、脱炭素へ向けた一般投資家の貢献が議論されました。議論では、ESG投資をするにあたってどのような指標を参考にすればよいか、投資したことのない人からの不安について、石田様と西川様より質問されました。質問に対して、鳥海様や吉高様から、ESG投資に対する丁寧な回答がありました。また、森本先生から、企業の「見えない価値」(非財務資本)の重要性や評価の基準としてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が紹介されました。

パネルディスカッションの終わりに、参加者からの質疑応答が行われました。他大学の学生や企業から、また、Zoom参加者からも質問があり、活発な議論が行われました。


最後に、本学副総長である須賀晃一先生より閉会あいさつが行われ、シンポジウムは盛況のうちに終わりました。特に、ニコニコ生放送でのアクセス数が2500を超えるなど、注目を集めたシンポジウムとなりました。