早稲田大学環境経済・経営研究所は、2025年9月4日(金)、環境科学会(叡啓大学)においてシンポジウム「脱炭素実現に向けたCCS普及策の学際的研究」を開催しました。本シンポジウムは、住友財団環境研究助成「CCS普及へのカーボンプライシングとサステナブルファイナンスの学際的・国際共同研究」の支援を受けて開催されたものとなります。
開会にあたって司会の有村俊秀所長から研究プロジェクトと本シンポジウムの目的が説明された後、プロジェクトメンバーによる研究発表が行われました。
一つ目の研究発表では、森村将平招聘研究員が「日豪JCMの実現に向けた可能性と課題―豪州におけるCCS・CCUSプロジェクトを事例として」というテーマで発表を行いました。発表では、途上国を中心に展開している二国間クレジット制度(JCM)を豪州で実施することが可能であるか、CCS・CCUSプロジェクトを事例に日本側と豪州側の論点を整理した経過が報告されました。
二つ目の研究発表では、風間政弥氏が「火力発電所へのCO2分離回収適用における産業連関分析のための資本費推算」というテーマで発表を行いました。発表では、続く鷲津教授の研究である産業連関分析でCCSを分析するために必要な資本費について、工学的な見地から検討した結果が報告されました。
三つ目の研究発表では、鷲津明由教授が「火力発電所におけるCCS導入効果の産業連関分析に向けて:地域間次世代エネルギーシステム分析用産業連関表の応用」というテーマで発表を行いました。発表では、過去の研究で開発した2015年地域間次世代エネルギーシステム分析用産業連関表(地域間IONGES)を用いて、将来的にCO2分離回収技術(CCS)の普及がもたらすCO2削減効果分析を試みるための研究状況が報告されました。

四つ目の研究発表では、伊藤晴由教授が「CCS及びCCUSを推進する財務的意思決定基準及びサステナブルファイナンスの一考察」というテーマで発表を行いました。発表では、CCS・CCUSを念頭に、温室効果ガス(GHG)削減策の実行を促進するような財務的意思決定基準及びサステナブルファイナンスのスキームを考察した研究経過が報告されました。
最後に、シンポジウム参加者からの質疑応答を行いました。本シンポジウムには多数の研究者が参加し、盛況のうちに終了しました。