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早稲田大学WIAS・RIEEM・WINPECの共催による学際シンポジウム「CCS普及へのカーボンプライシングとサステナブルファイナンスの学際研究」を開催しました。

2026年1月16日(金)、早稲田大学WIAS・RIEEM・WINPECの共催による学際シンポジウム「CCS普及へのカーボンプライシングとサステナブルファイナンスの学際研究」が開催されました。

開会にあたって司会の有村俊秀(環境経済・経営研究所所長)から研究プロジェクトと本シンポジウムの目的が説明された後、プロジェクトメンバーによる研究発表が行われました。

冒頭の研究発表では、有村俊秀教授が「GX-ETSの義務化とCCUS」というテーマで発表を行いました。発表では、GX推進法に基づくカーボンプライシングの全体像を整理し、2026年度から義務化されるGX-ETS第2フェーズの制度設計について解説がありました。GX-ETS価格の上限・下限設定などの安定化措置に加え、J-クレジットの市場動向、CCS活用の可能性にも触れられました。

二つ目の研究発表では、森村将平招聘研究員が「脱炭素へ向けた日豪の制度的連携に関する検討―水素製造、CCSを事例として」というテーマで発表を行いました。発表では、日本とオーストラリアの間での水素製造とCCSに関する制度的連携の可能性と課題について検討した研究成果を報告しました。

三つ目の研究発表では、風間政弥氏が「天然ガス火力発電所へのCO2分離回収適用における産業連関分析のためのコスト推算」というテーマで発表を行いました。発表では、天然ガス火力発電所へのCO2分離回収適用における産業連関分析のためのコスト推算について、工学的な見地から詳細な検討を行いました。工学と経済学の学際的連携により、より精緻な分析基盤が構築されつつあることが確認されました。


四つ目の研究発表では、鷲津明由教授が「火力発電所におけるCCS導入効果の産業連関分析に向けて:地域間次世代エネルギーシステム分析用産業連関表の応用」というテーマで発表を行いました。発表では、過去の研究で開発された地域別のエネルギーシステムと産業構造を統合的に分析できるツール「2015年地域間次世代エネルギーシステム分析用産業連関表」について紹介し、これを用いることで将来的にCCSの普及がもたらすCO2削減効果を試みるための研究状況が報告されました。

五つ目の研究発表では、伊藤晴祥教授が「CCSを推進する財務的意思決定基準及びサステナブルファイナンスの一考察」というテーマで発表を行いました。発表では、CCSを推進する財務的意思決定基準及びサステナブルファイナンスのスキームについて考察した研究経過が報告されました。CCSを念頭に置きながら、温室効果ガス削減策の実行を促進するような財務的意思決定基準とサステナブルファイナンスの仕組みを理論的・実践的に検討したものです。

すべての発表の後、発表内容を踏まえ柳憲一郎教授(明治大学)より環境法学の視点から講評が行われました。各研究の学術的意義と政策的含意について、法的枠組みの観点から貴重なコメントが提供され、学際的な議論がさらに深まりました。

最後に、シンポジウム参加者からの質疑応答を行いました。本シンポジウムには企業からの参加もあり、盛況のうちに終了しました。