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早稲田大学カーボンニュートラル副専攻シンポジウム「カーボンニュートラルとイノベーション:起業を通じた地域・社会への貢献」を開催しました。

2026年5月14日、早稲田大学早稲田キャンパス3号館において、早稲⽥⼤学カーボンニュートラル副専攻シンポジウム「カーボンニュートラルとイノベーション:起業を通じた地域・社会への貢献」が開催されました。環境経済・経営研究所(RIEEM)および現代政治経済研究所(WINPEC)の共催により実施された本シンポジウムには、政治経済学部をはじめ、法学部、商学部、社会科学部、国際教養学部、理工学術院、人間科学部など学内各学部の学生・大学院生・教員が多数参加しました。「カーボンニュートラルとイノベーション:起業を通じた地域・社会への貢献」をテーマに、再生可能エネルギーやソーシャルビジネスに取り組む起業家を招き、実社会での実践事例や研究の視点を交えた議論が行われました。

冒頭、RIEEM所長の有村俊秀教授がエネルギー問題と地域社会の関わりについて問題提起を行い、シンポジウムの趣旨を説明しました。

最初の基調講演では、「ふるさと熱電株式会社」の赤石和幸氏が登壇しました。日本は世界第3位の地熱資源ポテンシャルを有しながらも、既存の権益との調整が課題となり開発が十分に進んでいない現状が紹介されました。

同社では、地域住民が土地や権益を所有し、企業はそれを借りて利用するという独自の仕組みを構築し、収益を地域に還元しています。合意形成のプロセスにおいては、対話を重ねながら信頼関係を築くことの重要性が語られました。

続いて、合同会社O(O ltd.)のCEO大畑慎治氏が登壇し、ビジネスのエコシステムを活用した持続可能な課題解決の意義について講演しました。

講演では、海藻を活用したブルーカーボンの促進、昆虫食によるタンパク質危機への対応、アムステルダムにおけるアパレル廃棄、いわゆるファッションロスの削減を目指すオンデマンドTシャツの取り組みなど、国内外の事例が紹介されました。

後半のパネル討論では、有村教授の司会のもと、赤石氏、大畑氏に加え、所千晴教授(理工学術院)と鷲津明由教授(社会科学総合学術院)が登壇しました。 環境保護とビジネスの両立において、大企業とベンチャー(スタートアップ)の役割分担が大きな議論のテーマとなりました。大畑氏は、大企業は自社のインフラを活用して社会に広く影響を与え得る一方で、既存の権益が絡む領域の開拓においては、ベンチャーが重要な役割を担うと指摘しました。赤石氏も、大企業の論理ではなく、地域の課題や都合に深く寄り添い、丁寧な調整を行うことはベンチャーにしかできない役割であると応じました。 鷲津教授からは、「大企業はお金を出したいがどこに出せばいいかわからない。一方、地域には資金も人もないが課題が山積している。その間をつなぐのがベンチャーの役割である」とのコメントがありました。所教授からは、景観保護とエネルギー開発のバランスの重要性に触れつつ、新しい事業を進める上で「最後はやはり人である」と、論理的思考力と人間力の重要性が説かれました。


パネル討論後の質疑応答では、会場の学生から次々と手が挙がりました。起業家たちに向けて、実践的な質問が多く寄せられ、会場の関心の高さがうかがえました。

シンポジウムは、カーボンニュートラルリーダー副専攻コーディネーターである所千晴教授の閉会挨拶をもって、盛会裏に終了いたしました。